2016年7月28日木曜日

【ミニ小説】窓枠を持った少女②


いつもご愛読ありがとうございます♪
まーほです。

昨日と今日の前編・後編で
【ミニ小説】窓枠を持った少女②
をお送りします。


(前編から読む)
が、ふと少女は思った。
「他の窓枠だったらどんな景色が見えるのだろう。」

少女は昔から大切にしていた白い窓枠を
そっと足下に置き、
新しい赤い窓枠を見つけて外を覗き込んだ。

そこには躍動する火山の姿があった。
ドーンドーンと大きな音を立てては、
火花を散らし、灰を降らせていた。
あたりが暗くなるにつれて
その勢いはますます強くなっていくようだった。

大自然の迫力を目の前にした少女は
それを美しいと思った。
同時に、自身の持っていた窓枠に突如現われた
黒い煙の正体がこの火山であったことに気付いたのだった。



少女は他の窓枠の外も見てみたいと思った。
自分が見ていた景色とは
また違う美しさを持った景色があるならば
ぜひ、この目で見てみたい。

青い窓枠
・火山とのコントラストが美しい荒波

黄色い窓枠
・荒波にかかる七色の虹

橙の窓枠
・虹の先にある小さな島と白い砂浜

緑の窓枠
・白い砂浜から続く森の豊かさ

手にする窓枠によって
見える景色がこんなにも違うのかと
少女は驚き、わくわくした。
楽しむままに、少女はまた次の窓枠を探し求めた。



少女はとうとう12もの窓枠を集めた。
そして自分を中心として
周りをぐるりと囲むように窓枠を並べてみた。

360度、すべての景色がつながった。

窓枠1つ1つでは局所的(小域的)にしか
捉えられなかった景色が
非局所的(大域的) に捉えられた瞬間だった。

少女はもう自分には
窓枠は必要ないなと気付いた。
と同時に、今まで気がつかなかった
階段が少女の目の中に飛び込んできた。

少女は引き寄せられるままに
階段を上っていった。



少女は屋上に出た。
そこには窓枠を必要とせずとも美しい景色は
すべてそこに、既にあったことを教えてくれた。

大きな宇宙が優しく少女を迎えてくれた。
大きな宇宙と少女は一体になる感覚を覚えた。
少女もまた、大きな宇宙の一部であることに気がついた。

少女はこの日を境に大きな安堵感を手に入れた。
恐れを手放した少女はまるで
さなぎの殻を破り羽ばたき出した蝶のように
より美しい女性へと成長したのであった。

(終)

いつも愛とともに♪
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


0 コメント:

コメントを投稿

気付きがあれば何でもシェアしてください!