2016年7月27日水曜日

【ミニ小説】窓枠を持った少女①


いつもご愛読ありがとうございます♪
まーほです。

今日と明日は前編・後編で
【ミニ小説】窓枠を持った少女①
をお送りします。


少女には大切にしている窓枠がある。
その窓枠は白い木目調のデザインで
小さい頃からいつもそばにあり
少女に美しい景色を見せてくれた。

青々とした芝が窓枠いっぱいに広がり、
遠くには大きな1本の木が堂々たる姿で立ている。
その木に向かって伸びる小道の脇には
赤、橙、ピンクの花が美しく誇らしげに咲き誇り、
それらをこれまた青く澄み切った雲一つない空が包み込み
あたたかな光が差していた。

まるで絵画のようなその景色は
少女にとってのお気に入りだった。
そしてキラキラ輝く景色を見せてくれる
この白い窓枠が大好きだった。



ある時、いつも見ている白い窓枠からの景色に
灰と塵を含んだ黒い煙が立ちこめてきた。
少女は美しい景色が黒で濁っていくのを
見るのが辛かった。

なぜ私の目の前に煙が現われてきたのか。
煙さえなければ、また美しい景色が見られるのに。
どうにかして煙を追い出すことはできないか。

少女はお気に入りの白い窓枠を前に
煙ばかりを見るようになった。



2週間経った。
煙は相変わらず窓枠内から出て行く気配がない。
少女は何度も窓枠を磨き、ネジを強く締め、
以前の美しい世界を見せてくれないかと願った。

なんとかあの煙を追い出してくれないか。
煙がどうか消えてなくなりますように。
どうかまたあの美しい景色に戻りますように。

・・・

月日はさらに進み、1年経った。
白い窓枠から見える景色はよくなるどころか、
ますます悪くなっているようにも見える。

少女はもう2度とあの美しい景色を見ることは
叶わないのではないかと恐怖した。
恐れの心が大きく自分を縛り付ける感覚がした。

少女はさらに強く、祈り、願った。
お気に入りの窓枠の外が変化することを。
この窓枠で再びあの美しい景色を見ることを。

恐れが少女の心を占領しようとする中、
少女の頭の中にふと光の言葉が浮かんできた。
「他の窓枠・・・。
 この窓枠以外だったらどんな景色が見えるのだろう。」

(続く)


いつも愛とともに♪
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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